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【旅行業で起業】旅行業の分類や申請方法、おススメの資金調達方法などについて解説


日本人の海外旅行者数増加し、2021年東京オリンピック(開催予定)の影響でインバウンド(訪日外国人)も増加する可能性が高まっています。こういった需要を踏まえて旅行業で起業・開業したいという人も多くいるかと思います。但し、旅行業で起業するのは大変で開業タイプが多くあり、それに伴って営業保証金や条件があることはご存知でしょうか?

今回は、旅行業で起業・開業したい方向けに、旅行業の分類や申請方法、おススメの資金調達方法などについて解説していきます。

そもそも旅行業の定義とは?

「旅行業」とは、簡単に言えばお客の旅行をサポートしたり、プランを提案したりするビジネスを指します。観光地にある宿泊施設などと、旅行客をつなげる役割を担っており、旅行客に直接関わる企業は「旅行業者」と呼ばれています。

業務内容としては、交通機関乗車券の代理販売、宿泊施設の予約斡旋および宿泊券の発行、各種旅行の企画、手配を行います。事業者は旅行業法による登録を必要とし、扱える業務内容には登録の種類によって制限があり、大きくの5つに分類され、それぞれについて業務範囲や登録要件などが定められています。

ちなみに、日本国内に存在する旅行業者は、1952年に施行された旅行業法を遵守しなければなりません。旅行業法の目的は、消費者をリスク・不利益から守る法律となっています。
旅行業法 観光庁HP

旅行業の種類が5種類もある!?

旅行業には業務内容によって、大きく以下の5つに分類されています。ちなみに事務所はすべて営業所と称されています。

  • 第1種旅行業
  • 第2種旅行業
  • 第3種旅行業
  • 地域限定旅行業
  • 旅行業者代理業

第1種旅行業

国内外の募集型企画旅行および受注型企画旅行、手配旅行の取扱いが可能なタイプです。幅広い範囲での業務が可能であるが、開業時に7,000万円以上の営業保証金を国に供託しなければならない。

第2種旅行業

国内のみの募集型企画旅行、国内外の受注型企画旅行、手配旅行の取扱いが可能なタイプです。若干の制限は受けるものの、営業保証金1,100万円からの開業が可能です。

第3種旅行業

国内隣接市町村などの募集型企画旅行、国内外の受注型企画旅行と手配旅行の取扱いが可能なタイプです。実際の取り扱い額の比率は、手配旅行が最も多く8割以上を占めており、次いで、募集型企画旅行が残りを占めている。営業保証金300万円からの開業が可能であり、現在、最も事業所数の多い分類である。

地域限定旅行業

国内隣接市町村などに限定された募集型企画旅行、受注型企画旅行、手配旅行の取扱いが可能なタイプです。実際の取り扱い額の比率は、募集型企画旅行が最も多く6割程度を占めており、次いで、手配旅行が2割強、受注型企画旅行が1割程度を占めている。営業保証金100万円からの開業が可能である。創設されたばかりのタイプであり、今後の普及が期待されている。

旅行業者代理業

上記の旅行業者から委託された業務の範囲内のみで商品提供が可能なタイプです。営業保証金は必要なく、小資本でも参入が可能です。

旅行業で資格が必要になるケースとは?

それぞれの分類によって、資格が必要なケースがあります。

第1種・第2種・第3種旅行業として登録をする場合

第1種~第3種までの旅行業については、登録をする際に「旅行業務取扱管理者」が最低1人は求められます。なお、第三種旅行業のように海外旅行を取り扱わない場合は、国内旅行業務取扱管理者を用意すれば問題はありません。

第1種旅行業・第2種旅行業で海外旅行を取り扱う場合

第1種旅行業と第2種旅行業は、海外の旅行案件を取り扱うことが可能です。しかし、この場合には「総合旅行業務取扱管理者」の資格を持った、管理者を選任しなければなりません。

地域限定旅行業を、複数の店舗で行う場合

平成30年1月4日に一部が改正されました。改正により「地域限定旅行業務取扱管理者」という資格が新設されており、この資格を保有する人物を用意すれば、地域限定旅行業に限定して1人で複数の営業所を管理することが認められています。

旅行サービス手配業を行う場合

旅行サービス手配業とは、旅行業者のために媒介や取次、代理契約などを行うことです。いわゆる「ランドオペレータ」と呼ばれる立場であり、この事業を行う場合は「旅行サービス手配業務取扱管理者」を選任する必要があります。

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旅行業の登録要件

旅行業の各区分で定められている、登録要件についてお知らせします。旅行業として登録をするためには、基本的に以下の2つを用意しなければなりません。

  • 営業保証金:旅行業者が資金の一部を国に預ける(=供託)お金のこと。
  • ※国の管理下に置くことによって、万が一消費者が料金を支払ったあとに旅行会社が倒産しても、営業保証金から支払われます。

  • 基準資産:「事業を遂行できるか?」を審査するためにチェックされる、業者の資産。

各分類において「営業保証金・基準資産」がどのように定められているのか、以下からご確認ください。

旅行業協会に入会して、営業保証金を安くすることもできます。日本旅行業協会(JATA)、全国旅行業協会(ANTA)のどちらかの正会員になれば、弁済業務保証金制度を使えるので、金額を抑えることが可能です。上記表のカッコ内がその金額になります。

また、上記の金額は「取扱額が2億円未満」のケースです。業績などが向上して取扱額が増えると、その金額に応じて営業保証金が加算されることもあるため、その点もきちんと理解しておきましょう。

旅行業の申請を行う


ここまで準備が整ったら、いよいよ登記・登録手続きへと移ります。旅行業として登録をするには、以下の書類は提出が必ず求められるため、事前にきちんと準備をしておきましょう。ちなみに、第一種旅行業は地方運輸局、そのほかの旅行業は都道府県の登録行政庁で手続きを行います。法人か個人事業主、各自治体によって書類は変わってきますので、今回は1例として参考にしてください。

新規登録申請書

以下のいずれかのケースに概要する場合は、誓約書も必要になります。

  • 本店所在地と営業所が異なる場合
  • 副商号を使用する場合

定款

定款の写しを提出する。(寄附行為の写しでも代用可能)

登記簿謄本

申請日を含めて、3ヶ月以内に発行されたものに限ります。

役員の宣誓書

各役員が自著した宣誓書。

旅行業務に係る事業の計画

今後の事業計画をまとめた書類。

旅行業務に係る組織の概要

各営業所との関係や、専任した管理者を記載したもの。

法人税の確定申告書

直近の書類が求められる。貸借対照表や損益計算書など、添付書類も必要になります。

旅行業務取扱管理者選任一覧表

各管理者の合格証や認定証の写し。履歴書や宣誓書もまとめて添付しておく。

事故処理体制の説明書

旅行業協会に加入する場合に求められる書類。

標準旅行業約款

2部必要になる点に注意が必要です。

上記の通り、旅行業では多くの書類提出が求められます。したがって、余裕がある場合は事前に相談にいき、「何が必要になるのか?」を念のため確認しておいても良いでしょう。必要書類を用意したら、旅行業の種類に応じた申請先へ出向き、手続きを進めていきます。

旅行業は5年間隔での更新が必須

必要書類が受理されたら、開業の準備はひとまず完了です。作成した事業計画通りに、経営を進めていきましょう。ただし、旅行業は5年間隔での更新が必須であり、毎回の更新で前述の「基準資産」を満たしておく必要があります。基準資産に満たない場合は、増資や贈与、投資(出資・融資)などの方法で、資金を増やす必要があるため要注意です。

基準資産の条件を満たせない場合は廃業となるので、更新は常に意識しておくべきポイントでしょう。

旅行業起業 おススメ資金調達方法は『日本政策金融公庫』

なかなか新規開業で金融機関からの借り入れは難しい所です。新規開業におススメなのは、日本政策金融公庫による融資です。

そもそも日本政策金融公庫とは、2008年10月1日に、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行の4つの金融機関が統合して発足した100%政府出資の政策金融機関です。全国に支店網があり、固定金利での融資や、長期の返済が可能など、民間の金融機関より有利な融資制度が多く、設立間もない法人やこれから事業を始めようとする人であっても、融資を受けやすいのが特徴です。

そして、日本政策金融公庫の融資制度の中でも、「新創業融資制度」「中小企業経営力強化資金」は、新規の起業家の方にとっては、かなり魅力的な創業融資の制度になります。

新創業融資制度

新創業融資制度は、これから事業を始める方や、開業後2期分の税務申告を終えていない方が利用できます。融資限度額は3,000万円(開業資金1,500万円)で、担保や保証人は原則不要になります。

尚、これから事業を始める方と、1期の税務申告を終えていない方は、創業資金の総額10分の1以上の自己資金が必要です。ちなみに自己資金とは、自ら貯めて準備をした資金のことです。そして、自己資金の基本的な考え方は「通帳で確認できること」と「出所が不明な資金ではないこと」「返済義務がない親族からの支援金」などになります。

但し、現在勤務している企業と同じ業種の事業を始める場合などは、この要件を求められないケースもあります。

中小企業経営力強化資金

中小企業経営力強化資金は、日本政策金融公庫から受けることができる融資制度の1つで、新規事業の開拓、あるいは新規創業時において事業計画を策定し、認定支援機関からの指導及び助言を受けている事業者が受けることができることとなっており、新規の起業家の方にとっては、かなり魅力的な創業融資の制度です。

日本政策金融公庫の他の融資制度と比較すると、大きく分けて3つの違いがあります。

1つ目は、中小企業経営力強化資金は貸出要件上では自己資金要件がないので、自己資金が不足していても、必要な創業資金を調達することができます。2つ目は、 認定支援機関が支援することが条件となっており、事業者は、事業計画の策定支援や見直し等の経営指導を受けなければなりません。3つ目は、通常、日本政策金融公庫では「創業計画書」の作成のみですが、創業計画書よりも、より綿密な事業計画書の策定を義務付けられています。そして、その事業計画の進捗状況の経過報告を定期的に実施しなければなりません。 定期的な経過報告については、認定支援機関に対しては、半年毎、日本政策金融公庫には、1年毎になります。

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日本政策金融公庫 融資審査のポイント

融資審査の際の代表的なポイントをいくつか紹介します。もちろんここで挙げる以外にも様々な要素が審査に影響しますが、これらを押さえられていると融資審査には有利になります。

自己資金

自己資金は多ければ多いほうが良いのは当たり前ですが、創業融資の場合には必ずしも十分な自己資金がなければ融資を受けられないというわけではありません。もちろん自己資金が少ないことが審査に有利に働くことはありませんので、最低でも営業保証金の300万円(旅行業協会加入の際は、入会金と弁済業務保証金分担金相当額)程度は用意しておきたいところです。

また、代表者個人が消費者金融などで借り入れをしていることをご心配される方もいらっしゃいますが、それほど心配する必要はありません。ただし、税金やクレジットカードも含めて支払いや返済が滞っているようなケースですと、かなり不利に働く可能性があります。

業界経験

やはり旅行業界で働いた経験があると、事業を軌道に乗せられる可能性がより高いと判断されやすいので、業界経験は審査上有利に働きます。

旅行会社で働いていたということだけでなく、観光業界で働いていた経験や、事業経営の経験などもプラスになる可能性がありますので、そういった経験があるのであればしっかりアピールしましょう。

事業計画

事業計画を作成する際には、集客方法や資金繰りなど、将来を予測して作っていくことになると思いますが、あまり極端に楽観的だったり悲観的だったりしないように気をつけましょう。

未来のことなので誰にも本当のところはわかりませんが、あまりにも楽観的な予測をしていると、経営能力や数字の把握能力が不足していると評価されかねませんし、悲観的すぎると「この計画の通りだと融資の返済ができないのでは」となってしまいます。一定の合理性があって現実的な予測に基づいた事業計画も審査のポイントになってきます。

まとめ


旅行業の登録要件を満たすには、まとまった資金が必要です。手続きや書類も多く、いくら需要があるといっても簡単に旅行業で起業することは難しいです。旅行業で起業を検討していて1人では解決できない問題が出てきたら、「旅行業」に詳しい司法書士などに相談しに行くことをお勧めします。

記事のお問い合わせは
下記電話にお問合せください。

スタートゼロワン株式会社
電話番号:03-6380-3041

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