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売掛金・買掛金の基礎知識について解説


代金を都度請求せず、当月締め翌月末払いなどあらかじめ指定した日に決済を行う「掛取引」を採用している企業や店舗は多くあります。ちなみに掛取引とは、簡単にいうと後払いのことです。

掛取引で購入した場合は「買掛金」、販売した場合は「売掛金」が発生します。売掛金・買掛金とは、どちらも掛け取引の際に使われる勘定科目で、経理作業を行う際にも頻繁に出てきます。

今回は、売掛金・買掛金の基礎知識について解説していきます。

売掛金とは?

売掛金は、商品やサービスを販売・提供した際に取引先からまだ支払われていない代金のことです。営業取引のなかで、1年以内に現預金で回収が見込まれる未収代金が売掛金にあたります。

たとえば、電気機器を取り扱う業者が飲食店にエアコンの取り付けを行ったとします。この時、その場で代金の授受を行わず、後日振込日を指定し請求書を取引先に送付した場合、取引日に発生した代金は売掛金として処理します。

売掛金の時効がある!?

売掛金は商品を売り上げた後で代金を受け取れる権利ですが、民法上の債権であり消滅時効が適用されます。定められた期間が過ぎてしまうと、債権が消滅し、代金の回収ができなくなってしまいます。債権が時効となる期間は原則10年ですが、商取引によって発生した売掛金の時効は5年です。その他業種によって時効期間が異なり、建築工事や医師の診療に関する代金は3年、小売業などは2年、運送料や飲食代、宿泊料などは1年で時効となってしまいます。

しかし、法改正によって債権の消滅期間は、職種に関わらず”債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき”もしくは、権利を行使することができる時から10年間行使しないときのどちらか早い方となります。いつ発生した債権なのかによって、適用されるルールが異なりますので、弁護士など法律の専門家に確認が必要です。

売掛金のメリット・デメリット

売掛金で計上する最大のメリットは、都度払いの帳簿付けが少なくなる点です。一般的な買い物であれば都度払いでよいかもしれませんが、企業同士で行われる営業取引の金額は大きいため、その都度大金を持って会社に向かうのは取引先にも迷惑でしょう。その点、売掛金であえば月1回まとめて支払うだけで済みます。

売掛金のデメリットは信憑性の低下や貸し倒れのリスクがあることです。売掛金はまだ支払われていない代金であるため、まだ売上になっていません。そのため売掛金が多すぎると、「売上が少ない」とみなされ融資を受ける際の審査が通りにくくなります。また貸し倒れの危険があります。ちなみに貸し倒れとは、売掛金として計上していた代金が相手から支払われず踏み倒されてしまうことです。売掛金は法的拘束が弱いため、踏み倒される可能性もあります。貸し倒れにならないような管理が必要です。

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買掛金とは?

買掛金とは、取引時に生じた代金のなかで「まだ支払っていないもの」を指します。買掛金の対象となるのは仕入れや商品の購入、外注加工の依頼などで、建設費や固定資産、有価証券の購入代金は買掛金になりません。

たとえば、飲食店が仕入れている食材の代金を月末締めの翌月払いとして月に1度まとめて支払う場合、締め日までに購入した食材の代金はすべて買掛金となります。

買掛金に時効はある!?

自社における買掛金は、取引先にとっては売掛金ということになります。民法の規定によって売掛金には時効が適用されるため、売掛金の存在がなくなった時点で債務者の買掛金も支払い義務が消滅します。2020年4月から施行される改正民法においては、売掛金の消滅時効期間は業種に関わらず、原則として5年と定められました。商品の販売代金などの時効は2年となっています。

債務者側が時効を適用するためには、自ら主張を行う必要がある点にも注意が必要です。

買掛金のメリット・デメリット

買掛金のメリットとして挙げられるのは以下になります。

取引時にまとまった現金を持ち歩く必要がない

企業間で行われる取引は大金が動くと予想されます。そのためわざわざ現金を用意し、営業先へ持っていくのは安全性や利便性から見てリスクが高いでしょう。その点、買掛金として処理をすれば、まとまった現金を用意する必要はなく口座移動で済みます。また買掛金を利用すれば比較的大きな取引もしやすくなるのです。

月末支払いが一般的のため管理がしやすい

自社管理の面から見ても買掛金にはよい点があります。一般的に掛け取引は月末に支払いや受け取りを行うため、管理がしやすいのです。都度払いで帳簿をつける必要がなくなるのも経理の業務負担軽減につながります。

継続的に支払うことで企業間の信頼が深まる傾向にある

継続的に支払うことで相手の企業から「きちんと期限どおりに支払う会社」と見てもらえるという効果も期待できます。支払い義務が生じているため当たり前のように見えますが、企業間のつながりとは、こうした当たり前の積み重ねが重要です。

買掛金のデメリットとしては、買掛の取引先が多いと管理が大変だという点が挙げられます。買掛金は「一時的な負債」と同じ扱いです。そのため買掛取引を行った先が多いと、管理が大変になってしまいます。もし、複数の企業と取引をする場合は、月末のトラブルを防ぐためにも管理をしっかり行いましょう。また、支払いが遅れてしまうと、企業間の信用問題に関わってしまいます。買掛取引を行うなら、必ず期日までに支払うことが大切です。

売掛金と買掛金の違いとは?

上記でもお伝えしましたが、売掛金が売上代金を後で受け取ることができる権利であるのに対し、買掛金は仕入代金などを後で支払わなければならない義務のことをいいます。

売掛金、買掛金はともに、貸借対照表の勘定科目で、ある時点でその金額がどのくらい残っているかを示します。売掛金は後でお金が受け取れる権利として「資産」の項目として計上し、買掛金は後でお金を支払う義務として「負債」の項目として計上します。

一般的に飲食店や理美容業などは現金商売で、売上代金はその日のうちに受け取りますが、食材など材料代は掛取引で行うことが多いため、貸借対照表では売掛金よりも買掛金の方が多くなる傾向があります。資金繰りを考えた場合には、当然ですが売上代金は早く回収できて、仕入代金は遅く支払える方が楽ですよね。貸借対照表を見るときにはこれらのバランスにも注意してみるとよいでしょう。

売掛金と未収金の違いとは?

売掛金と未収金(未収入金)は会社の債権であるという点では共通しています。しかし、未収金が多く計上されていると、金融機関などからマイナスの評価を受けてしまうこともあるのです。

売掛金が事業活動から生まれる債権であるのに対して、未収金は本来の事業活動以外で得られた債権のことを指します。未収金の具体例としては、固定資産や有価証券の売却、保有する物件の賃貸収入(賃貸収入を得ることが本業である場合には売掛金として処理)などです。

未収金が多額に計上され続けていると「財務管理が甘い」と判断されてしまう恐れもあります。本業の利益とそれ以外の利益をきちんと把握するためにも、未収金の取り扱いについて意識を向けておきましょう。

まとめ


企業活動と切り離せない売掛金、買掛金の管理は正確な会計処理を行うための基本です。複雑そうに見えますが、しっかり理解すれば難しい作業ではありません。月末の処理をスムーズに行うためにも、都度作業は要点を抑えて行うようにしましょう。請求書などの帳票類を適切に管理しておくことも重要です。

「売掛金=支払いをうける権利」「買掛金=支払う義務」と覚えておきましょう。

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