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産業廃棄物処理業での開業の資金調達方法


現在の社会問題になっている不法投棄問題。人が生活していく上でどうしても発生するゴミですが、生活が高度になっていくにつれゴミの種類も多様化し、中には処理を誤ると健康被害が発生するようなものもあります。このような問題を解決するために、産業廃棄物処理業での開業を検討されている方もいるかと思います。産業廃棄物処理業は無許可営業や無断輸出などを行った場合、厳しい罰則などが設けられており、知識や情報がない状態で開業すると問題になる可能性があります。

そのような問題が起こらないよう、今回は、産業廃棄物処理業での開業についてや開業に際しての資金調達方法をご紹介します。

そもそも産業廃棄物処理業とは?

廃棄物処理法という法律があります。この法律は「産業廃棄物」について、事業活動に伴って生じた燃え殻・汚泥・廃油、廃プラスチック類などの19種類を指定したものです。これら19種類の産業廃棄物を処理するのが『産業廃棄物処理業』になります。

そして、廃棄物処理法では、産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性など、人の健康や生活環境に被害を及ぼすおそれがある性質を持つものを『特別管理産業廃棄物』として区分しています。特別管理産業廃棄物は特に注意して扱うことを求められるため、処理基準も他の産業廃棄物とは異なります。そのため、特別管理産業廃棄物収集運搬業もしくは処分業の許可を持つ処理業者でなければ、特別管理産業廃棄物を取り扱うことはできないように定められています。

産業廃棄物処理業での開業手続き

産業廃棄物処理業を営むには、都道府県知事の許可が必要です(ただし、保健所設置市の場合は市長の許可)。また、産業廃棄物処理業には、事業を行う地域ごとに許可を得なければなりません。「業」の許可(収集運搬業と処分業の2種類)と「施設設置」の許可に分けられています。

「業」に関する許可

報酬をもらって産業廃棄物の処理を行うために必要な許可です。免許区分や産業廃棄物の種類ごとに許可を取らなくてはなりません。免許区分については、下記の通りです。

収集運搬業

廃棄物の発生地から「中間処理施設」または「最終処理施設」まで廃棄物を運送する業務

処分業

  • 中間処理業
  • 廃棄物を、化学処理や焼却処理して無害なものに変える業務

  • 最終処理業
  • 埋め立てなど最終的な処理を行う業務

「施設」に関する許可

事業用の施設が一定の基準を超える場合は、「施設」の設置許可を取る必要があります。施設の種類ごとに構造基準や処分方法などの条件が細かく決められており、それらをすべて満たさなくてはなりません。

産業廃棄物処理業の許可を受けるには?

  • ①公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが実施をしている講習を受ける
  • ②産業廃棄物処理施設の建設許可を得る
  • ③施設を完成させて自治体による検査を受ける

①公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが実施をしている講習を受ける

まず、産業廃棄物処理業を営むためには、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが実施をしている講習を受けなければなりません。この講習は、産業廃棄物に関する知識や、その処理に関する知識、廃棄物処理法に関する知識などの知識を習得するものです。また、産業廃棄物処理業を法人で行う場合には法人の役員となる者が、個人で行う場合には申請する人が受けることになっています。授業をするための資格は特に設定されておらず、学歴・実務経験がない人でも、外国人でも受けることができます。講習会開催の情報は、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターのホームページの中の講習会・研修会のページで確認することができます。

②産業廃棄物処理施設の建設許可を得る

次に、産業廃棄物処理施設の建設許可を得ます。産業廃棄物処理を営む場合には、適切に産業廃棄物を処理できる設備が不可欠になります。その際、建設される処理施設は規模の大きなものになりますので、処理施設の建設許可を得ることが必要になります。申請を行う場合には、「生活環境影響調査」を行って、「生活環境影響調査書」を提出する必要があります。生活環境影響調査の進め方については、環境省が「廃棄物処理施設生活環境影響調査指針」というものを発表しており(環境省HP)、焼却施設・最終処分場・その他という形でどのような生活環境影響調査を行うべきかという事について掲載しています。

生活環境影響調査書を作るにあたっては、管轄の産廃物に関する役所と相談しながら作成することになります。

③施設を完成させて自治体による検査を受ける

処理施設の建設許可が下りると、その処理施設を完成させます。なお、処理施設の建設にあたっては、各都道府県が指導要綱を設定しています。その内容としては、事前に住民への説明会の開催・関係地域住民との調整などの手続き的な内容が規定されています。また、廃棄物処理施設の立地基準・構造基準・施設管理基準も定めており、その内容は非常に詳細なものです。

立地基準の例としては、学校、保育所、病院、診療所、図書館又は特別養護老人ホームに係る土地の敷地境界からの距離はおおむね100m以上であること、自然公園・鳥獣保護区などの場所を原則含まないこと、使用道路の幅員は搬入車両の通行に支障がなく、必要に応じて、車両の待避所が設けられること、といったものがあります。

構造基準の例としては、土地の原則として全周囲に囲いの設置をすること、排水を地下浸透処理するものではないこと、雨水の流入を防止すること、管理事務所を設置すること、といったものがあります。

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産業廃棄物処理業を開業する際の開業資金について

産業廃棄物処理業を開業したいと思った時、まず気になるのが開業資金ではないでしょうか。まず開業資金の内訳についてですが、事業内容や事業規模によって必要となる開業資金は様々ですが、設備什器費と開業費に分けられます。

設備什器費は、収集運搬業と処分業で大きく違ってきますが、まずどちらでも共通して必要なのが事務所建築工事費と用地整備費、そして収拾運搬車やフォークリフトなど、事業内容に合わせた車両です。これに加えて、処分業では産業廃棄物を処理するための選別設備や破砕設備などの設備投資も必要となります。開業費としては、社員やアルバイトの募集と、講習受講費などを含めた開業準備に関わる人件費、そして許可申請費用などが挙げられます。

開業資金は事業内容や規模、事業を行う場所などによって様々なので目安の金額をいうのは難しいですが、用地面積500坪、4t車両5台で郊外に収拾運搬業を開業するような場合ですと数千万~数億ほどかかります。

開業資金をどこから調達すればいいのか?

産業廃棄物処理業を開業するにあたり、自己資金、いわゆる貯金だけでは難しい所です。以下ご紹介する調達方法を組み合わせて検討することが良いかと思います。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫とは、2008年10月1日に、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行の4つの金融機関が統合して発足した100%政府出資の政策金融機関です。全国に支店網があり、固定金利での融資や、長期の返済が可能など、民間の金融機関より有利な融資制度が多く、設立間もない法人やこれから事業を始めようとする人であっても、融資を受けやすいのが特徴です。

一般的な中小企業に関係する事業は、国民生活事業になり、国民生活事業は事業資金の融資がメイン業務で、融資先数は88万先にのぼり、1先あたりの平均融資残高は698万円と小口融資が主体です。融資先の約9割が従業者9人以下であり、約半数が個人企業です。サラリーマンには馴染みではないですが、理由として、銀行のように口座はなく、貸付のみだからになります。

創業者向け融資制度である「新創業融資制度」や認定支援機関の助言があれば無担保・無保証、金利が安価になる「中小企業経営力強化資金」という融資制度がお勧めです。

信用保証付の融資

「信用保証協会」という公的機関に保証人になってもらい、民間の金融機関から融資を受ける制度です。貸倒のリスクを信用保証協会が背負うので、実績のない創業者が民間金融機関から融資を受けることが可能となります。万が一返済が不可能になった場合は、信用保証協会が代わりに金融機関に返済し、その後債務者は、信用保証協会に借入金を返済することになります。信用保証協会は全国各地にあり、地域ごとに創業者向けの融資制度を設けています。また独自の融資制度を設けている自治体も多くあります。

手続きの手順としては、信用保証協会に保証の承諾を受け、金融機関から実際の融資を受けるという流れになります。また各自治体の制度を利用する場合は、自治体の窓口を経由することになります。

補助金/助成金

開業前後での資金調達方法ではないですが、開業後の資金繰りが楽になるといった事であれば助成金や補助金をうまく活用することをおススメします。多くの自治体で廃棄物関連の税収を財源に、廃棄物の排出抑制、再使用、リサイクルのいわゆる3Rを推進する設備整備や研究開発等を支援する補助金制度があります。また、産業廃棄物処理事業振興財団でも、持続可能な循環型社会の構築に資する3Rの技術開発や施設整備などに対して毎年助成を行っています。事業を行う自治体でどのような補助金や支援があるか、申請資格があるのかなど、担当課に問い合わせて早めに相談すると良いでしょう。

親族、友人・知人からの借入

親族・知人から借入をする際には、その人の好意でお金を借りることになります。先々トラブルにならないようにしっかりとした取り決めをおこなっておくことが重要です。いくら近い間柄とは言え、お金を貸す側の心理としては複雑なものです。また、後々トラブルになりやすい資金調達法でもあるため、甘えてしまわないよう入念な説明と借用書などを交わすなど、お互いが納得のいく取り決めをしっかりとしておきましょう。

その他注意点として、金額によっては贈与税を納めなくてはならないので、実施する場合は、贈与とみなされないよう書面(金銭消費貸借契約書)を作成したほうが良いでしょう。また、利息など契約内容も明確にし、返済は銀行口座を通じたり、領収書をもらうなどして、証拠を残したほうが良いでしょう。

産業廃棄物処理業の留意点

自治体にもよりますが、住民への説明会を実施して理解を得ることが求められるケースも多いです。環境には十分配慮する、住民の要望による立ち入り検査を許可する、積極的な情報公開(施設見学会など)を行なうなど、誠意をもった住民対応が重要になります。

また、一般的に、最終処分場は5年から10年で埋め立てが終了するため、中間処理業の場合、つねに最終処分場の確保に努めることが必要になります。最終処分業の場合、埋め立て終了期間が迫ると埋め立て場所の確保が問題になるため、長期的視野に立った計画も重要になります。

最後に、産業廃棄物処理業を開業する為には莫大な資金が必要になってきます。処理場の用地整備、車両、機器、人件費、事務所施設など一般的な事業の開業とは違い、多くの資金が必要になってきます。

まとめ


産業廃棄物処理業で大切なのはまずは「許可」を得ることです。スムーズに許可を得るためには、事業計画書や施設の図面を持ってあらかじめ相談しておくことが大切です。また、自治体にもよりますが、周辺住民からどれだけ理解を得られているかも重要な要素。環境への配慮はもちろんのこと、施設の見学会を開いたり立ち入り検査を許可したりするなど、積極的な情報開示を行い、周辺住民に誠意ある対応を行いましょう。

産業廃棄物処理業は色々な基準がありますので、出来れば専門家である行政書士などに依頼することをお勧めします。

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